秋はスマホを置いて本とチェアリング!お金を遣わずに楽しむ脱ドーパミン中毒の旅
夏の暑さも少し遠ざかり、朝晩は涼しくなってきたこの頃!
「季節の変わり目に何か変化を感じたいけれど、何をしていいかわからない・・・」みたいな人多いんじゃありませんか?

そこでおすすめしたいのが、スマホを置いて、本を1冊だけ持って、椅子で外に出るという過ごし方です。そう、本と「チェアリング」。かかるお金は0円、必要なのは数時間と、1冊の本と、座る場所だけ。

秋らしい時間を最高のコスパで過ごしてみたくない?
本が読めないのは「ドーパミン中毒」のせいかも?
「最近、本を1冊最後まで読めた記憶がない」。そう感じているなら、それはあなたの根気の問題ではないかもしれません。
スマホには通知、短い動画、次々と流れてくるタイムラインと、数秒ごとに小さな「おっ」が用意されています。この刺激に慣れると、ページをめくるだけの読書は物足りなく感じやすくなってしまうんです!
こんな経験、ありませんか?
ここで言う「ドーパミン中毒」は、医学的な病名ではなく、手軽な刺激ばかりを求めてしまう状態を指す俗な言い方です。そこから抜け出す「脱ドーパミン中毒」も治療法ではなく、手軽な刺激から少し距離を置いて、ひとつのことに没頭する時間を取り戻そうという生活上の考え方です。完全にスマホを断つ必要はありません。数時間だけ、手の届かないところに置く。それだけで十分です。
そして、その数時間を「家の中」ではなく「外の椅子の上」で過ごすのがポイントです!
本とチェアリングの相性がいい3つの理由

家だと読めないのに、外の椅子だと不思議と読み進められる。実際に何度も試してきて、そこには理由があると感じています。
1. 「ほかにやること」が物理的にない
家にはテレビも冷蔵庫も、片づけていない洗濯物もあります。外の椅子の上には、本と景色しかありません。選択肢が減ると、人は目の前のことに集中しやすくなります。
2. 最小限の荷物で移動が楽ちん

折りたたみ椅子と文庫を一冊バッグに入れたらそれだけでOK!バックパックに最低限の荷物を入れるだけでいいから、徒歩、自転車、バイク、車、電車など、とにかく移動が楽ちん!
気の向くままに公園や川、山、海に出かけて自然のBGMの中で本の世界に入ってみませんか?
3. 秋の外気がちょうどいい
暑すぎず寒すぎない秋は、外で長く過ごすのに一番向いた季節。風の音や木の葉の揺れは、スマホの通知のように注意を奪わず、ほどよい背景音になってくれます。
カフェ読書と違って、お店の混雑や滞在時間を気にする必要もありません。時間制限のない場所で、1冊を最初から最後まで読む。この「通読」の体験こそが、秋のチェアリングで味わってほしいものです。
読書向きのチェアリングスポットを選ぶ4つの条件

「小旅行」と言っても、遠くに行く必要はありません。家から歩いて行ける場所でも、椅子を置いて本を開けば、そこはもう非日常です。読書に向いた場所には、次のような共通点があります。
- 人通りがほどほど:にぎやかすぎると集中できず、誰もいないと逆に落ち着かない。散歩の人がたまに通るくらいがちょうどいい
- 木陰か、日差しを調整できる:秋でも晴れた日中の直射日光は意外とまぶしい。ページが白く光らない場所を選ぶ
- 風が強すぎない:川沿いや海辺は気持ちいい反面、ページがめくれやすい。風が強い日は建物や木の近くへ
- トイレと自販機が近い:長く座るなら地味に大事。トイレの心配がないと、心おきなく没頭できる
具体的には、広めの公園、河川敷、図書館の近くの公園などが候補になります。図書館で本を借りて、そのまま近くの公園で読む。これだけで立派な「0円の小旅行」の完成です。
なお、椅子の持ち込みや設置にルールを設けている場所もあります。初めて行く場所では、公園の案内板や管理者のホームページを確認しておくと安心です。

スマホを「置く」ための当日の過ごし方
一番の難関は、やっぱりスマホです。「置いていく」と決めても、手元にあればつい触ってしまう。だからこそ、意志の力ではなく仕組みで距離をとるのがコツです。
スマホとの距離のとり方
- いっそ家に置いていく:一番効果的。ただし一人で遠出する場合は、緊急時の連絡手段として持っていくほうが安心
- 持っていくならカバンの一番底へ:取り出すのにひと手間かかるだけで、触る回数はぐっと減る
- 機内モードやおやすみモードにする:通知が来なければ、気になることもない
- 時計は腕時計で:「今何時かな」とスマホを見た瞬間に、通知に引き込まれるのがよくあるパターン
ドーパミン中毒な人におすすめの本4選

「もう長い時間、本を読むのが難しい」。そんなドーパミン中毒ぎみの人に向けて、60ページほどでサクサク読める物語を4つ選びました。
どれも2000年以降に出た人気の短編集で、文体も読みやすいモノばかりです!
奥田英朗『イン・ザ・プール』
型破りな精神科医・伊良部のもとに、ちょっと変わった悩みを抱えた患者が次々とやってくる短編集。1冊に5つのお話が入っていて、1話あたり60ページ前後でサクッと完結します。現在までに4作出ている人気シリーズで、プール中毒や空中ブランコイップス、先端恐怖症のやくざなど、独特な苦しみを持った人たちが主役です!
なかでも「フレンズ」は、携帯電話が手放せなくなった高校生が主人公。まさに今の自分のことかも……と笑いながらドキッとできるはず。テンポのいい会話劇で、スマホ以上に続きが気になる1冊です!

プール中毒ってすごいテーマだよね!
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
中学2年の夏、閉店を控えた地元のデパートに通いつめると宣言するところから始まる、滋賀県大津市に住む中学生・成瀬あかりの連作短編集です。閉店までの日々を伝えるテレビ中継に毎日映り込む、漫才でM-1に挑む……と、周りの目を気にせずやりたいことに全力な成瀬の姿が痛快!
1話が短めで、語り手が話ごとに変わるのでテンポよく読み進められます。2024年の本屋大賞受賞作。他人の「いいね」より自分の「やりたい」を大事にする成瀬は、スマホを置いて外に出る日のお供にぴったりです。

読んだら外に出たくなること間違いなし!
青山美智子『お探し物は図書室まで』
仕事や人生に行き詰まった5人が、町の小さな図書室を訪れる連作短編集。無愛想なのに聞き上手な司書さんが、相談者に思いもよらない本を選び、手作りの「付録」を添えて送り出します。1話がおよそ60ページ前後で、どの話も読み終えたあとに肩の力がふっと抜ける優しい物語。
2021年の本屋大賞で2位に選ばれた話題作です!

読み終わったら、きっと肩がふっと軽くなるよ!
伊坂幸太郎『死神の精度』
人間の姿で現れ、対象者を7日間調査して「死」を実行するかどうか判断する死神・千葉。ちょっとズレた会話がクセになる彼が主人公の短編集です。
1話ごとにジャンルが変わり、ミステリーあり、恋愛ありと飽きさせません。軽快な会話とラストのひねりで、スマホの短い動画に慣れた頭でも、気づけば次の話へとページをめくってしまいます。

千葉さんとの会話、クセになるよ!
この秋は、スマホを置いて1冊を読み切る小旅行

季節の変わり目に何か変化がほしい。でも、大きなお金も時間もかけられない。そんなときこそ、椅子と本を1冊持って外に出てみてください。
スマホから流れてくる刺激を数時間だけ手放して、1冊の物語に最初から最後まで浸る。読み終えて本を閉じ、顔を上げたときに見える秋の景色は、きっといつもより少しだけ鮮やかに見えるはずです!
さあ、今度の週末は椅子を持って、近所への小旅行に出かけてみませんか?








